Bienvenue, GRAND CRU CLUB ようこそ、グラン・クリュ・クラブへ! |
グラン・クリュ・クラブとは?それは、ワインをこよなく愛するパリ在住20余年の須藤秀章氏の主催するワイン・クラブである。
単刀直入な名前の、このワイン・クラブ。一体誰が、どこで、何を、どんな風に飲んでいるのか?
このコーナーではグラン・クリュ・クラブから発信される、パリの旬なワイン事情を紹介します。
GRAND CRU CLUB MENU |
2006年
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2005年
GCC恒例、夏の日本ツアーが決定! |
2004年
GCCニュース2004/10/11 | 冬の日本ツアー(?)が決定しました! |
GCCニュース 2004/08/21 | |
GCCニュース 2004/08/20 | |
GCCニュース 2004/6/2 | 2004年 夏のワイン会 |
2003年
2002年
GCCニュース 2002/10/28 | 2002年 日本ワイン会参加募集 |
須藤秀章氏という人 |
須藤秀章氏という人 |
「ワインは生きている」。
須藤氏のワイン観を尋ねてみたら、間髪入れずに返ってきた答えがこれだ。
「全く同じ銘柄で同じ年のワインでも、開けてみると毎回違うでしょ。キャラを言い切ることなんて絶対に出来ない。だからパリに住んでいても、わざわざボルドーにまで同じワインを飲みに行ったりすることが、面白くなるんだよ。人間以外で成長を見守りたいものがあるとすれば、それが唯一ワインかな」
氏がフランスに渡ったのは1981年。若かった氏にとって、フランスは「たまたま」の選択肢だった。そして「たまたま」の延長線上で当時働いていた店の店長からある日こう言われる。
「せっかくフランスにいるのだから、少しくらいフランスのことも勉強したら?ワインとか」。この言葉が氏にとって天の声(?)となる。氏はアカデミーデュ・ヴァン・フランセーズに通い出す。そして同じ頃1本のワインと出会う。シャトー・モンローズ 1972年だ。「目から鱗が落ちたね」。
その後の氏は、ワイン街道をまっしぐらに走り出す。まずはパリ中のワインショップやワインバーに通い詰めた。そして当然の結果として、パリだけでは物足りなくなる。ワイン産地にひた走り、生産者の生の声を聞き、その地でワインを飲み、理解する。もう病気だね、と氏は言うが本業を持ちながらのこの情熱は、本当に病気というか、天晴れである。
1991年、とうとう氏はグラン・クリュ・クラブなるものを作ってしまう。ワインがもたらす喜びは、一人で楽しむものではないのだ。少しでも多くの人に楽しんで欲しい、プロの人達には教科書には無い真髄をもっと理解して欲しい。その思いからである。この頃既に氏にはパリのワインショップだけではなく、訪問した生産者からも厚い信頼が寄せられていた。又、氏はオークションにも果敢に参加していた。その成果で氏はレア度・最新度がすこぶる高く、かつグッド・コンディション、ロー・プライスのワインを買うことが可能になっていたのである。まずは知り合いのレストランや自宅でワイン会を行うことから始めたが、氏が費やした時間と労力を考えると、これはワイン・ボランティアに限りなく近い。
現在氏は、グラン・クリュ・クラブの名前で定期的にパリで試飲会を行うほか、年に5−6回のワイン・ツアーも行っている。ワイン・ツアーは勿論生産者を訪ねるツアーだが、このツアーのもう一つのお楽しみとして氏が20余年かけて見つけた、地元の人達に支持される美味しいお店でのお食事も見逃せない。また近年は帰国したグラン・クリュ・クラブのファン達の強い要望で、年に1−2回日本でもワイン会を行っている。今年は年末に東京で3回、大阪で2回、そして九州で1回行う予定である。最低限の旅しかしていない厳選されたワイン達は、日本で飲むには最高のコンディションで、はっきり言って必飲モノだ(かつて1959年のラ・ターシュを1990年と間違えたジャーナリストがいた。しかしこれは彼のテイスティング能力の問題では無い。ラ・ターシュが完璧かつ、日本にあるラ・ターシュと熟成の時差がありすぎたのだ)
ちなみに氏のワイン会は、名前より味わいでワインを判断してほしい、真剣にワインに向き合って理解してほしいという考えの基、ブラインドが基本。一参加者の私の意見として、ブラインドは外すと悔しいが、確実にテイスティング能力が上がることを付け加えておきたい。又、ワインを飲み始めた人達にとっては、自分の好みを名前ではなく舌で探す楽しみが発見できるのも嬉しい。
ところで氏に過去のベスト3ワインを挙げていただいた。
「ラ・ターシュの1959年と、1954年、そしてアンリ・ジャイエのヴォーヌ・ロマネ オー・ブリュレ 1978年かな」。そう答える氏の目は、子供のように嬉しそう。これらのワインを越えるワインに氏が出会った時に、私も同じテーブルを囲んでいたいものだ。
最後に個人的な意見だが、海外生活が長くなればなるほど、男性のギャグは濃く、ベタになる傾向があるように思われる。そして氏もその傾向に漏れず(失礼)、一緒にワインを飲んでいると、そのフランスネタ満載の一連のギャグと人の良さに笑いながら何となく引き込まれてしまうのだ。グラン・クリュ・クラブの常連であるエア・フランスのスッチー達のアイドル(???)でもある。
「地方療養に行くぞー!」とワイン産地に出かけてしまう氏。そんな氏はとてもお茶目で愛すべき人でもある。
(グラン・クリュ・クラブに関するお問い合わせは、la_mer_du_vin@yahoo.co.jp
まで)
GRAND CRU CLUBニュース |
GRAND CRU CLUB恒例、年末ワイン会(日本)が決定しました!
厳選されたワインだけではなく、須藤さんのフランスワイン最新情報もマストです。
皆様の参加をお待ちしています!
東京 |
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11/29(金) |
SUDO COLLECTION BORDEAUX 「ボルドーを飲み、ミレジムとシャトー名を探求する」 |
12/1(日) |
SOIREE de MERLOT 「20世紀メルロー最高年の一つである1998年の並行」 |
12/2(月) |
CALON SEGUR VERTICAL 「シャトー・カロン・セギュールの垂直試飲」 |
大阪 |
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12/22(日) |
Bordeaux Old Vintage 「ボルドーのテロワールとヴィンテージの探求」 |
12/23(月) |
SUDO COLLECTION FRANCE 「フランスの輝く個性達」 |
*ワインリスト上の???は当日のお楽しみです(ブラインド・テイスティング)。この???にお宝が?!
お申し込み方法
メール:la_mer_du_vin@yahoo.co.jp
ファックス:33−1−44−93−05−90
また東京で行う試飲会は、各レストランの担当者に直接電話で申し込んでいただくことも出来ます。
*先着順12名まで。また、人数が揃わなかった場合は延期します。予約時に、1万円を申し受けます。
GRAND CRU CLUBニュース |
ある日のワイン会
SUDO COLLECTION FRANCE 〜フランスの輝く個性達〜
(OSAKA 2002・12・23)
GRAND CRU CLUB恒例、年末ワイン会(日本)が昨年末東京―福岡―大阪で行われました。その中で、12月23日の大阪ワイン会を簡単にご報告します。
場所:オステリア・ディ・レンドラ
大阪市北区天神橋4−6−19 サンプラザ井上2F(電話:06−6357−3366)
WINE LIST(サービス順に記載) |
Champagne | Yves LOUVET Brut Millesime 1994 | イヴ・ルーヴェ ブリュット・ミレジメ |
Vin Blanc | Cave AUGE Bourgogne Hautes Cotes de Nuits 1998 |
カーヴ・オジェ ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ(DRC元詰め→後述) |
DART et RIBO Saint−Josephe PITROU 1999 | ダール・エ・リボ サン・ジョゼフ ピトロ | |
Vin Rouge | Charles Vienot Richebourg 1983 | シャルル・ヴィエノ リシュブール |
Claude DUGAT Charmes Chambertin 1994 | クロード・デュガ シャルム・シャンベルタン | |
Louis CHVALLIER Volnay 1959 | ルイ・シュヴァイエ ヴォルネイ | |
CROIX de LABRIE 1996 | クロワ・ド・ラブリ | |
GRAMENON Cotes du RHONE MEME 1998 | グラムノン コート・デュ・ローヌ メメ | |
Chateau MONTROSE 1970 | シャトー・モンローズ | |
Dominique LAURENT Gevrey−Chambertin 1er Cru Laveaux-St-Jaques 1993 |
ドミニク・ローラン ジュヴレイ・シャンベルタン プルミエ・クリュ ラヴォー・サン・ジャック |
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Denis MORTET Clos de Vougeot 1996 | ドニ・モルテ クロ・ヴージョ | |
Chateau CALON SEGUR 1982 | シャトー・カロン・セギュール | |
Chateau LATOUR 1993 | シャトー・ラトゥール | |
Vin Liquoreux | Chateau LAFAURIE−PEYRAGUEY 1936 | シャトー・ラフォア・ペイラゲ |
Chateau du FARGUES 1988 | シャトー・ファルグ |
MENU |
ANTIPASTI(
前菜 ) |
*
魚介の軽い燻製とフレッシュ野菜のクロカンテ添え、抹茶のジェラティーナ * 鴨の香味焼きマリネとクラッカー、プラム風味のマスカルポーネドレッシン |
Primo Piatto( プリモピアット ) |
* "ラザニア"ちりめんキャベツと自家製ウズラのミートソース ウズラモモ肉のバルサミコ照り焼き添え |
PESCE( 魚料理 ) |
* オマールエビとタラのリゾット、白子のパッサートミルフィーユ仕立て、ビンサントの香り |
CARNE(
肉料理 ) |
* 仔羊とブロードで炊いた白菜のロトリーノ、グリーンペッパーソース ミモレットのネージュ添え |
* 自家製パン |
DOLCE( デザート ) |
* ココナッツ風味のビアンコマンジャーレ パッションフルーツのソース たっぷり苺のタルトとキャラメルジェラート添え * エスプレッソコーヒー または 紅茶 |
大混乱? |
以上のワインリストは今回サービスした順に記載しているのだが、この順を見て「なんて無茶苦茶な順番だろう」と思われた方も多いのではないだろうか?そう、この順番こそが今回のワイン会の一つの答えでもあるのだ!
今回の大阪ワイン会は産地や年代、生産者などにテーマを絞った東京、福岡のワイン会とは異なり、興味の赴くままのセレクション、つまりセラーで眠っているものや、オークションで買ったもの、産地巡りで見つけた有名ではないが「気になる」ものなどを「まずは一度飲んでみましょう」という主旨であった。
通常ワイン会ではワインによるが約3−4時間前には抜栓し(時には6時間前、前日抜栓もある)、その後ワインの状態を見ながらそのまま開放、再度閉栓、もしくはデキャンティングなど、ワインをベストの状態で試飲できる手段を決めていく。そして今回も同様一部の古酒を除き、3時間前にまずは全てのワインを抜栓したのだが、、、。
産地、年代、生産者、購入場所、購入時期が見事に異なるこれらのワインの熟成は、時にセオリーを上回り、時に期待を下回る。しかも1本(リシュブール)はブショネ。時間毎に刻々と変化していくワインをどの順番で出すかに大変頭を悩まされた。悩み抜いた挙げ句の順番が上記であり、クロワ・ド・ラブリの後にグラムノンが正しかったりするのだ。そして極めて順番に神経質になった時に、一つ気が付いた事実がある。それは日本とフランスではデキャンティング後のワインの開き方にも時差がある、ということだ。
デキャンティング後のワインの開き方における時差。結論から言えば、フランスとほぼ同じ状態のワイン(今回のワインは、フランスーワイン会会場であるこのレストラン間の輸送には涼しい状況下で1週間しか費やしておらず、その後はセラーで安置されている)ならば、日本での方が開きは遅い。もちろんこれは感覚的なもので、科学的な分析ではない。しかし「湿気の蓋」が、まるで重しのように開こうとしているワインの上に存在しているように感じられるのだ。フランスで感じる、乾いた空気にワインが染みこみ立ち昇ってくるあの感覚が無いのである。ワインの状態をチェックする度に「なんか違うよ。今日は疲れるーーー!」を連発していた主催者須藤氏も、同じ感想を持ったようだ。
美味しく、飲む。しかし美味しく飲むための手段は、条件が変わると思いもかけないところで柔軟に変更せざるを得ないようである(須藤さん、お疲れ様でした)。
珍品大賞 |
その1:Cave AUGE Bourgogne Hautes Cotes de Nuits 1998
「ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイのどこが珍品?」と思われる方も多いはず。しかしこのワインがかのベルナール・ノブレ氏の手により、DRCで醸造・瓶詰めされているワインであれば?
このワインに関しては以下のHP「ブルゴーニュ魂」に詳細が紹介されています。
http://www2.odn.ne.jp/~cdj80950/
飲んだ感想としては「醸造力を感じるワイン」。ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイの力をここまで引き上げるとは!流石ノブレ氏、天晴れである。
その2:Chateau LAFAURIE−PEYRAGUEY 1936
こちらも古さを除けば決して珍品では無いのだが、ソーテルヌの「わび・さび」を体現してくれたワインとして特筆しておきたい。ほんのりと甘味を残した紅茶様の味わいは「ヴァン・ド・アヴァン・デセール(デザート前のワイン)」。食事とデセールの架け橋にはぴったりの味わいだ。
このワインは私の母のミレジムということがありオークションで購入したものだが、3本220ユーロで始まった競りはソーテルヌの不人気を物語ってか、私が落札したのは開始値割れの210ユーロ。66年を経たこのワインがこの日私達にくれた素敵な時間を思うと、少し可哀相な気もするのだが。
その3:Louis CHVALLIER Volnay 1959
ルイ・シュヴァイエはニュイ・サン・ジョルジュに本拠地を置くネゴシアン。フランス、日本でも特に取り上げられているネゴシアンではない(失礼)。
しかしブラインド・テイスティングではこのワインを繊細さからヴォーヌ・ロマネに持っていく者、あの素晴らしいミレジム1978年(つまり20年以上若く感じているのである)間違える者が続出。状態の良い一ネゴシアンの村名ヴォルネイが、ブルゴーニュ・1959年というミレジムの底力を見せつけてくれたということで、こちらにも珍品大賞を。
今年の年末も東京―大阪―福岡でワイン会を開催します。皆様の参加をお待ちしています。
最後に今回のこの一貫性の無いワインのラインナップに、見事に寄り添う素晴らしいお料理を作って頂いたレンドラの石井 広志シェフ、スタッフの皆様方に深く御礼申し上げます。
−1/25(土)に須藤さんから電話があり、本年7月末〜8月初旬に東京−福岡−大阪でワイン会予定のことです。 文責 ダンナ−
試飲会報告(2003.2.1) Domaine Forey Pere et Fils(ドメーヌ・フォレイ・ペール・エ・フィス) 〜レ・ゴーディショ その実力は?〜 |
Domaine Forey Pere et Fils(ドメーヌ・フォレイ・ペール・エ・フィス)とは? |
ドメーヌ・フォレイ・ペール・エ・フィスはヴォーヌ・ロマネに所在するドメーヌで、生産しているワインは、以下。
レジョナル
ブルゴーニュ・ルージュ&ブラン
ブルゴーニュ・パストゥグラン
村名
ニュイ・サン・ジョルジュ
ヴォーヌ・ロマネ
プルミエ・クリュ
ニュイ・サン・ジョルジュ レ・ペリエール
ニュイ・サン・ジョルジュ レ・サン・ジョルジュ
ヴォーヌ・ロマネ レ・プティ・モン
ヴォーヌ・ロマネ レ・ゴーディショ(Les Gaudichots)→注目すべき、この1本参照
グラン・クリュ
エシェゾー
クロ・ウージョ
注目すべき、この1本 |
このドメーヌのフラッグ・シップはやはり、ヴォーヌ・ロマネ レ・ゴーディショ(Les Gaudichots)だ。
レ・ゴーディショが、ラ・ターシュの一区画である言われる所以は1932年に遡る。この年DRCはラ・ターシュの周辺区画、4,5haをラ・ターシュに組み込むことを例外的に認められ、本来1,5haだったラ・ターシュは5,8haとなり現在に至っているのだが、この際取り込まれなかった微少な区画の一つが、このフォレイのレ・ゴーディショなのである。ちなみにフォレイの区画はたった0,1haで、北側と西側(上部)に位置し地質学的にもラ・ターシュと変わらないと言われている。生産量は年間500−600本。ある意味ラ・ターシュよりも見つけにくいワインかもしれない。なお、現在ゴーディショを所有するドメーヌは計3つ存在する。
ちなみにフォレイはかのラ・ロマネの醸造をブシャール・ペール・エ・フィスから委託されていたが、ブシャールとラ・ロマネの所有者であるリジェ・ベレール家の契約が2002年で終了したため、現在はラ・ロマネの畑仕事・醸造は、ルイ・ミシェル=リジェ・ベレール氏が行っている。
テイスティング銘柄 |
さて、最近なぜかこのレ・ゴーディショを始め、フォレイのワインがパリのワインショップで評価・価格とも上昇傾向にある。そこで、グラン・クリュ・クラブとしては、
@
レ・ゴーディショを利く。
A
フォレイの各テロワール表現とは?
B
価格に、世間の評価に見合うか?
この3点にポイントを絞り、全てブラインドでテイスティングを行った。
テイスティング銘柄は以下。テイスティング順に記載。2種類、或いは3種類ずつ比較ブラインドテイスティング。ドメーヌ・年号の記載の無いものは全てドメーヌ・フォレイ・ペール・エ・フィスの2000年ミレジム。
ジャン・マーク・モレイ シャサーニュ・モンラッシェ レ・ショーム 1996 (白)
ルロワ ジュヴレイ・シャンベルタン 1972 (赤)
フォレイ平行試飲
テーマ:ヴォーヌ・ロマネの特徴は出ているか?またNSG プルミエ・クリュの格はあるか?
ヴォーヌ・ロマネ 27.6ユーロ
ニュイ・サン・ジョルジュ レ・ペリエール 44ユーロ
ニュイ・サン・ジョルジュ レ・サン・ジョルジュ 42ユーロ
グループ B
テーマ:ドメーヌとしての個性を感じることが出来るか?
ヴォーヌ・ロマネ レ・プティ・モン
ルネ・アンジェル ヴォーヌ・ロマネ レ・ブリュレ 2000(比較試飲)
グループ C
テーマ:グラン・クリュと比較して、プルミエ・クリュであるレ・ゴーディショのポテンシャルは?
エシェゾー 62ユーロ
ヴォーヌ・ロマネ レ・ゴーディショ 62ユーロ
クロ・ウージョ 68ユーロ
結果 |
@ レ・ゴーディショを利く。
この際、ラ・ターシュとの比較は一切忘れてしまった方がよい。まずフォレイとDRC自体、スタイルが全く違うからだ。ラ・ターシュと比較すると、全ての点で粗雑な印象が残り、このワインの長所が見つけにくくなってしまう。
グループ Cで比較した中でゴーディショは最も紫のニュアンスがまだ残る濃い赤で、脚はねっとりと最も長い。香りはとにかく「黒い」イメージでカシスを代表とする黒系果実や、黒バラ、スミレ、クローブ、心地よい湿った土など。口に含むと樹齢の高さや、生まれの良さを感じる自然な凝縮感と甘さが一杯に広がり、タンニンも豊富で細かく、それらが綺麗に混じり合いヴォーヌ・ロマネらしい複雑さも十分に感じられる。余韻は果実の甘さとほどよい新樽のヴァニラが20秒は続く。15―20年後に出会っても綺麗な姿を楽しめる、熟成能力もあるだろう。
フォレイの、平均以上の出来である他の2種類のグラン・クリュと比較して、レ・ゴーディショは十分にグラン・クリュ級のポテンシャルが感じられるワインといえるだろう。ただ惜しむべくは折角の高貴な「ロマネ一家」の一員である割には、ロマネ一家の持つニュアンスのある品に欠ける。素性と力で押し切っている感が否めない「ポテンシャルの方向を探りかねている発展途上のロマネ君」。以降のミレジムを見守りたい。
A フォレイの各テロワール表現とは?
フォレイのワインを非常に乱暴な言い方で言えば、「今系よりは少しクラシックな果実派」。しかし「今系果実派」が陥りやすい、「何を飲んでもそのドメーヌ味」である傾向は見られない。アペラシオン、畑の特徴、ワインの格といったセオリーに当てはめていけば、ブラインドでほぼ言い当てることが出来た点を考慮すると、テロワールの表現は忠実に行われていると言える。
B 価格に、世間の評価に見合うか?
現時点では十分に見合う。
醸造、生産者の哲学などは生産者本人にお会いしていないので、ここでコメントすることは不可能。次回はドメーヌ訪問記をレポートします(訪問時期は未定ですが、、、)!
今回試飲したワイン CLICKすると大きくなります |
GRAND CRU CLUBニュース |
GRAND CRU CLUB恒例、夏の全国ツアー(日本)が決定しました!
夏バテなんか吹っ飛んでしまうワインがお待ちしています。須藤さんのフランスワイン最新情報もマストです。
是非ご参加ください!
日程表(詳しい内容はこちらへ!)
7/1現在、大阪、福岡ワイン会は若干名空きがあります。東京の情報は不明です。
福岡 |
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7/26(土) |
BOURGOGNE Old Vintage |
7/24(木) |
RHONE 1985 Horizontal |
大阪 |
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7/27(日) |
Bernard DUGAT−PY 2000 Horizontal 「デュガ・ピの2000年と、それぞれの畑の個性を把握する」 |
7/30(水) |
BORDEAUX 1995 Horizontal and Their Brothers 「1995を飲み、過去の偉大なるミレジムを推理する」 |
東京 |
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8/9(土) |
BOURGOGNE Old Vintage 「ブルゴーニュ古酒の官能とは?」 |
8/10(日) |
BORDEAUX 1986 Horizontal 「偉大なミレジム、1986年の今を利く」 |
お申し込み方法
@ メール:
la_mer_du_vin@yahoo.co.jp
A
ファックス:33−1−44−93−05−90
また東京で行う試飲会は、各レストランの担当者に直接電話で申し込んでいただくことも出来ます。
*先着順12名まで。また、人数が揃わなかった場合は延期します。ご予約時に、1万円を申し受けます。
GCCニュース 2003/09/19 |
最もお手頃なDRC。そう、ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ・ブラン カーヴ・オジェ・セレクションである。日本ではブルータスのサイトで火が付き、ワイナートの「珍品さん、いらっしゃい」のコーナーで認知度は一気に上昇。最後にはネット・オークションで1万円の値が付くワインになってしまったことは、記憶に新しい。
フランスでも一銘柄としてはスピーディに在庫切れとなった1998年であるが、待望の1999年が8月中旬、やっと市場に姿を現した。
ところで1999年は「カーヴ・オジェ・ラベル」と「ラヴィーニャ・ラベル」の2本立てである。パリのワイン・ショップ、ラヴィーニャ(LAVINIA)のフランスワインのセレクションはカーヴ・オジェのマーク・シバ氏の管轄であり、それゆえ1998年はカーヴ・オジェとラヴィーニャの2店舗に並んだわけであるが、スペインに2つの店舗(バルセロナとマドリッド)を持つラヴィーニャとしては、スペイン店に「カーヴ・オジェ・ラベル」が並ぶ時に消費者に招くであろう困惑(なぜ他の店のセレクションと記載されているワインがラヴィーニャに並んでいるのか)は避けたかったようである。そこで今回の2つのラベルとなった次第だ。
(このワインが生まれた経由に関しては「小さなワイン・ニュース 2002 DRC元詰めのオート・コート・ド・ニュイ ブラン このワインが生まれた背景は?」参照)
そこでGCCではアカデミー・デュ・ヴァン 東京校の講師でいらっしゃる矢野 恒先生をスペシャル・ゲストにお迎えして、この1999年(ラヴィーニャ・ボトル)を試飲することとなった。「DRC」という先入観を排除するために、試飲は産地・セパージュ・ミレジムを明かさない完璧なブラインド。以下が矢野先生とGCC主催者・須藤秀明氏のコメントである。
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ・ブラン ラヴィーニャ 1999 |
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ・ブラン カーヴ・オジェ 1999 |
〜矢野先生コメント〜
ややグリーンが入った明るく澄んだ黄色。ディスクは普通。
立ち上がってくる香りの強さは普通で、柑橘類、黄色のリンゴ、熟した洋梨など非常に新鮮な果実感。バゲットの皮、栗のニュアンス、またシュル・リーのワインに見られる、酵母が自己消化して生まれる特有の香りもある。スパイシーなワインではない。素晴らしく複雑というわけでは無いが、清々しさ、心地良さがある。
ビロード・タッチのような味わいは非常に滑らかで、生き生きとした酸もある。アルコール度数は12,5度くらいではないか。バランスの良いワイン。醸造、熟成過程にどのように樽が使われているか様々な可能性が考えられるが、新樽比率は30%くらいと思われる。
予想されるワイン:サン・ヴェラン 2001年。市場価格15ユーロくらい。
〜須藤秀明氏コメント〜
色調はレストランの照明もあり、パス。
香りには火打ち石のようなミネラルがあることから石灰質土壌であることが推測される。他に蜂蜜、白桃や熟した洋梨などの白い果実の香り。ユリに代表される白い花。白ネギの切り口。ホールの白コショウ。時間、温度の上昇に連れて、ホワイト・チョコのような香りも上がってくる。カラフに入れた方がこのワインの良さが引き出されるはずだ。
糖度、酸のバランスは良く、余韻にはほどよく樽由来の苦味が残る。新樽を50%くらい使用しているのではないか。
2005年から2010年くらいに飲み頃を迎えると思われる。つるりとした脂がのったイシビラメなどに合わせたい。
予想されるワイン:ピノ・プランを使っていないニュイ・サン・ジョルジュ・ブラン 2001年。市場価格が20−25ユーロなら理想的。
ちなみに提供者である(少し冷やし過ぎました。すみません)私のコメントは以下。
少しロワールを思わせるミネラル。白桃、洋梨、マンゴスティンなどの白い果実。栗やマルメロ。スパイスにはホールの白コショウ。ベビー・ポワロー(ポワロー葱の赤ちゃん)。アカシアの蜂蜜やホワイト・チョコ様の甘い香り。
味わいにも上品で滑らかなミネラルが顕著。バランスは良い。心地よい苦味を伴った細く滑らかな余韻。
今でも十分に楽しめるが、ミネラルの熟成が期待できる2−3年後が飲み頃。ワインに柔らかさがあるので、葱などを使った少しクリーミィなソースを添えた白身の魚と一緒に。
そして購入先であるラヴィーニャ・スタッフのコメントは「かっちりした1998年に比べ1999年はより滑らかで開きは1998年より早い」(日本人スタッフ、ナツコさんまとめ)である。
また1998年を4回試飲した私個人の感想であるが、試飲した状況の違いを考慮しても瓶差がかなりあるように思われた。その傾向は1999年においても残念ながら健在(?)であるらしく、何度か1998年を試飲したラヴィーニャ・スタッフ自身もそれは感じているようだ。
最後に価格であるが、こちらは昨年と同じく21ユーロ(カーヴ・オジェ、ラヴィーニャとも。ただし、カーヴ・オジェではケース単位で購入すると割引がある)。カーヴ・オジェでは9月27日時点でほぼ完売、ラヴィーニャでは9月20日時点で入荷量の約半分が販売されているとのこと(正確な入荷量は確認できなかったのでここでの記載は省略)。瓶によっては霧状の澱がかなり舞っているが、これもワイン好きには「美味そう」に映る澱である。パリに来たら、まずはお試しを!
GCC近況報告 |
9月に入り、須藤氏主催のワイン会は週1−2回というかなりのハイペース。そして試飲会の間を縫ってワイン・ツアーも敢行中である(9月は2回)。
ところで矢野先生とアカデミー・デュ・ヴァンの生徒の方々が参加された、今回のワイン・リストは以下だ(6日間のワイン・ツアー、皆様お疲れ様でした)。
〜シャンパーニュ〜
* ローラン・ペリエ ブリュット 1990(マグナム)
〜白〜
* ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ・ブラン ラヴィーニャ・セレクション
(以下より2つずつ比較ブラインド・テイスティング)
* マーク・ソレル エルミタージュ・ブラン 1985
* コント・ラフォン ムルソー グート・ドール 1999
〜赤〜
* ルロワ シャンボール・ミュジニィ レザムルーズ 1976
* ポール・ジャブレ クローズ・エルミタージュ 1978
* シャトー・ボーセジュール・ベコ 1982
* シャトー・ベイシュベル 1982
* クロード・デュガ ジュヴレイ・シャンベルタン プルミエ・クリュ 2000
* ドゥニ・モルテ ジュヴレイ・シャンベルタン オー・ベレ 2000
* シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 1970
* シャトー・モンローズ 1970
一見滅茶苦茶な順番と組み合わせに感じられるかもしれないが、今回のメイン・テーマは「熟成したワインがどう化けるか?」「比較する2つのワインにある決定的な違い(アペラシオン、ミレジムなど)は何か?」をとにかく「舌」で感じることである。特に熟成したローヌなどは限りなくブルゴーニュに近づいてくるが、やはりそこにも「熱感」や「獣感」の微妙ながら歴然とした差があり、しかしそれを利き分けるには、とにかく「舌で覚える」しかないのである。舌で覚えて初めて、系統的な分析が生まれるのだ。
今回はワイン・ツアーの打ち上げも兼ねた「贅沢ヴァージョン」であったが、試飲会は基本的に「予算」「何を学びたいか」「どんなワインが好きか」で柔軟に須藤氏が全て企画。というわけでフランスにいらっしゃる方でご興味のある方は、お気軽に当HPまでご連絡ください。お待ちしています!
GRAND CRU CLUBニュース 10/27/2003 |
GRAND CRU CLUB恒例、年末ワイン会(日本)が決定しました!
今回はようやく試飲できる状態に落ち着いた2000年ミレジムが中心です。厳選されたワインだけではなく、須藤さんのフランスワイン最新情報もマストです。
皆様の参加をお待ちしています!
日程
福岡:
11/28(金) SOIREE de Bordeaux 1986
「偉大なミレジム、1986年ボルドー 〜タンニンの溶け具合を利く〜」
11/29(土) SOIREE de Denis MORTET 2000
「ドニ・モルテ2000年平行 〜ドニ・モルテと彼の手がける畑の個性を把握する〜」
大阪:
12/4(木) Selection de GRAND CRU CLUB Rive Droite de BORDEAUX
「ボルドー右岸の2000年を利き、新旧シャトーの傾向を知る」
12/5(金) Selection de GRAND CRU CLUB Rive Gauche de BORDEAUX
「5大シャトーの2000年を利き、その個性を探る」
東京:
12/6(土) Bordeaux 1995 Horizontal
「1995年ボルドー平行 〜1995年の今を利く〜」
12/7(日) Bernard DUGAT−PY 2000 Horizontal et 1999
「デュガ・ピの2000年を利き、1999年との違いを知る」
お申し込み方法
@ メール:la_mer_du_vin@yahoo.co.jp
A ファックス:33−1−44−93−05−90
また東京・福岡で行う試飲会は、各担当者に直接電話で申し込んでいただくことも出来ます。
*先着順10〜12名まで。また、人数が揃わなかった場合は延期します。予約時に、1万円を申し受けます。