速報 オスピス・ド・ボーヌ 2005 その2

144eme Vente aux Enchères des Vins des Hospices de BEAUNE

〜 オスピスの栽培と醸造とは? 〜

  (Beaune 2004.11.20)

 






 

オスピスの栽培と醸造とは?

 ラベルはいつも「オスピス・ラベル」。キュヴェの名前もよほどのオスピス・マニア(?)でなければ、ピンと来るわけではない。そこでまずは、「オスピスが会場に現れるまで」を、栽培・醸造の面で簡単に紹介しておきたい(参考資料:オスピス側からのプレス用資料)。

 

〜 畑 〜

現在畑の栽培面積は約60ha。オスピスの栽培・醸造責任者ローラン・マス氏のもと、23人が従事している(給与はオスピス側から受け取っている)。また1995年よりリュット・レゾネ(理論的な減農薬)を採用し、除草剤など生態系に影響する科学的な薬剤は廃止されている。

 

〜 今年の収穫 〜

9/14(水)プイィ・フュッセに始まり、9/23(金)マジ・シャンベルタンで終了。収穫は全て手摘みで、小カゴにて運搬。選果台は設置していたものの、ブドウが健康だったためにあまり出番は無かった。

 

〜 醸造 〜

    潜在アルコール度は12,8−13,8度

    低圧の破砕機で2時間以上かけて破砕

    48時間かけて自然にデブルバージュした果汁は、低温(14℃)に安置

    アルコール発酵は2−4週間

    バトナージュは週に3回

    熟成のためにトロンセ産の新樽に移す

    収量は44hl/ha

 

    潜在アルコール度は12,5−13,4度

    除梗(ただし約2/3のキュヴェでは、20%のブドウを除梗しなかった)

    発酵前のマセラシオンは4日

    既に発酵前の果汁には色づきや、ポリフェノールの抽出が見られた

    ルモンタージュと通気は、注意深く定期的に行われたが、一方でピジャージュは破砕前の一回のみか、キュヴェによっては行われなかった

    アルコール発酵時の最高温度は30℃

    11日から17日のキュヴェゾン

    破砕と試飲

    熟成のためにヴォージュ、ソントル、トロンセもしくはベルトランジュ産の新樽に移す

    収量は41hl/ha

 

 以上の説明には醸造専門用語も多いが、超・要約すれば、非常に真面目な仕事が施されているといえるだろう。

 

キュヴェの内容変更(2005年度)

左より、ソニア・リキエル女史、競り落としたベルヴェデール社、アラン・セグノ氏(オスピス理事、ボーヌ市長)、カトリーヌ・ジャコブ女史。電光表示板には61000ユーロの文字が光る。

  ポマール(キュヴェ・ダーム・ド・ラ・シャリテ Dame de la Charité)と、ムルソー(キュヴェ・ジュアン・ユンブロ Jehan Humblot)がプルミエ・クリュの畑のみで構成されるようになった。

    ポマール キュヴェ・ダーム・ド・ラ・シャリテ

5つのプルミエ・クリュのアッサンブラージュ、、、レ・プティ・ゼプノ、レ・コンブ、ラ・ルフェンヌ、レ・リュジアンバ、レ・リュジアン・オ

    ムルソー (キュヴェ・ジュアン・ユンブロ 

以前はヴィラージュとのアッサンブラージュであったが、今年度よりポリュゾのみで構成

 

今年のオスピスの慈善目的

 毎年オスピスのリストには「カタログ外」なるキュヴェがあるが、これはその年毎に、フランス国内外の慈善活動機関を紹介、その活動を支援する目的で競られるキュヴェである(ボーヌ プルミエ・クリュ キュヴェ・ギゴーヌ・ド・サラン)。

 今年は2つの活動がこれに相当したが、一つ目はソニア・リキエル(デザイナー)がプレゼンテーターを務める機関「アクション・コントル・ラ・ファン(世界の飢餓を救う)」、二つ目はカトリーヌ・ジャコブ(女優)がプレゼンテーターを務める機関「イリス(先天的免疫不全の新生児を救う)」であった。

 キュヴェは2003年(56000ユーロ)、2004年(51000ユーロ)を上回る61000ユーロ(約854万円)で落札された。

 

 

 

 

 

「オスピス3」へ続く!