〜 Les vendanges 2008 〜

2008年 ブルゴーニュの収穫状況 その1

ヴォーヌ・ロマネの収穫風景 (2008/9/30)

 

 

 

  9月30(火)〜10/2(木)の3日間、コート・ド・ニュイへ。昨年、同じ時期にブルゴーニュに訪れた時には収穫はすっかり終わり、一次発酵を終えたワインを樽に移す頃だった。しかし今年はまさに収穫の真っ只中。

収穫人でにぎわう畑の中に入るのは久しぶり。独特の高揚感を味わいながら、畑や醸造所で収穫チームの写真を撮りつつ、挨拶程度に収穫の進行状況を伺った。そこで今年のブルゴーニュの収穫状況レポートは、

 

  その1 ヴォーヌ・ロマネの収穫風景

  その2 ジュヴレイ・シャンベルタンの収穫風景

  その3 2008年の収穫までの推移

 

で、紹介していきたい。
 

ヴォーヌ・ロマネの収穫風景

ルロワ フランソワ・ラマルシュ
DRC ロベール・シルグ
グロ・フレール・エ・セール ジャン・タルディ
コント・リジェ・ベレール ラルロ
プリューレ・ロック デュジャック

 

ルロワ

  収穫開始日: 9/23(火)

  撮影場所: ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ レ・ボーモン

 まるで北ローヌ?というような、ブルゴーニュでは珍しいブドウ樹の仕立てに興味を惹かれて畑を登っていくと、その先には多国籍の陽気な収穫チームがいた。収穫の指揮を執る人によると、「今年のブドウは良質だが収量は例年より低いので、収穫は今日にも終わるだろう」。また別のドメーヌの栽培責任者曰く、「病害の多かった今年は苦戦を強いられるビオの畑も見られた中、ルロワの畑はとても綺麗に管理されていたと思う」。

 

珍しい仕立て。夏期の枝先剪定を殆ど行っていないようで(これはブドウ樹の成長サイクルを乱さないためらしい)、伸びた枝先は丸く編み込むように固定されている

 

多国籍の収穫チーム。移動中は収穫人が歌うアフリカ音楽が畑を賑わす。意気揚々。

 

収穫されたブドウ

 ページのTOPに戻る

DRC

  収穫開始日: 9/27(土)

  撮影場所: リシュブル

 DRCの収穫チームの目印は、ブドウを運搬するトラクターの先にシンボルのように飾られている、伝統的な木製の収穫カゴ。ロマネ・コンティの畑ではすでに収穫が終わったブドウ樹の間を、関係者らしき人と見て回るヴィレーヌ氏の姿も。

 

ブドウを運搬するトラクターに、ブドウをリレーで渡していく収穫チーム

 

まだ摘まれていないブドウ

 ページのTOPに戻る

 

グロ・フレール・エ・セール

  収穫開始日: 9/25(木)

  撮影場所: ドメーヌ

 ボルドーのシャトーのように広々としたドメーヌの敷地内では、到着したばかりのブドウが、振動式選果台で次々と選果にかけられていた。収量は例年並み。この日でヴォーヌ・ロマネの収穫は全て終了し、約1週間後に晩熟のオート・コート・ド・ニュイの収穫を再開する予定。

 

選果作業中

 

収穫ケースには、今でもジャン・グロ名が書かれたものがあったりする

 

ベルナール・グロ氏(手前)

 ページのTOPに戻る

 

コント・リジェ・ベレール

  収穫開始日: 9/27(土)

  撮影場所: AOCヴォーヌ・ロマネ、ドメーヌ

 コント(伯爵)のジャン・ルイ・リジェ・ベレール氏が、フリース姿で指揮を執る。難しいミレジムでも、常に自信に満ちた理論的なコメントが返ってくるこのドメーヌ。今年も後日、詳細を伺う予定。

 

ドメーヌにて、ジャン・ミシェル・リジェ・ベレール氏。後ろでは振動式選果台での選果作業

 

収穫されたブドウを、畑でも簡単に選果してからドメーヌに運ぶ

  ページのTOPに戻る

プリューレ・ロック

  収穫開始日: 9/29(月)

  撮影場所: ヴォーヌ・ロマネ レ・オート・マジエール

 収穫時期のチーム・ロックと畑で会うのは6年ぶり。この時期の醸造には、パカレ時代からのロックを知るポーランド人の醸造家・クリストフがヘルプに入る。また今年から、より作業効率を改良した新しい醸造所が稼働する。

 

懐かしい顔ぶれ

 

スタッフ曰く「トラクターを操れば右に出る人がいない」という、写真の彼

  ページのTOPに戻る

フランソワ・ラマルシュ

  収穫開始日: 9/26(金)

  撮影場所: エシェゾー

 畑の作業を見守るのは先代のフランソワ・ラマルシュ氏。現在は娘のニコルが栽培・醸造の責任者。「収量は例年よりも低めだが、極端に収量が低かった2007年に比べると想定内」とのこと。

 

フランソワ・ラマルシュ氏

 

普段は広報を担当する姪(右)が、この日は畑で収穫の指揮を執っていた

  ページのTOPに戻る

ロベール・シルグ

  収穫開始日: 9/25(木)

  撮影場所: ドメーヌ

 「選果には100人を採用していますが、全て女性です。繊細な作業ですから」とは、シャトー・パプ・クレマン(ペサック・レオニャン)。しかしロベール・シルグの選果台を守るのは、そんな理屈はどこ吹く風、と言わんばかりの熟練のムッシュー達。そしてこのムッシュー達、とにかく明るくて元気で楽しい。活気ある現場からは、素敵なワインが生まれるはず?

 

当主の1人、ジャン・ルイ・シルグ氏はカメラを向けると照れくさそうに視界から消えてしまうのだが、ムッシュー達は頼みもしないのに(?)、ポーズを取ってくれたり大サービス。

 

ムッシューの1人が家から連れてきた猫。「いい子だろ!」とうちの子自慢。

 

お兄さんも明るい。「畑の向こうから写真を撮って!」と構図を指定され(?)、言われたままに撮ってみました

  ページのTOPに戻る

ジャン・タルディ

  収穫開始日: 9/26(金)

  撮影場所: ドメーヌ

 「一度には無理だけど、徐々に近代化を図っている途中」とは先代のジャン。毎年少しずつ醸造器具などを刷新しており、それらの改良は確かに近年の綺麗な果実味を残すスタイルに繋がっていると思う。また2008年よりジュヴレイ・シャンベルタンに着手した(畑はジュヴレイのリュー・ディ「シャンペリエール」にあり、平均樹齢50年のVV、0,3ha強)。発酵前の果汁の状態を確認しながら、ギヨーム曰く「期待できる!」。

 

弊HPお馴染み、ギヨームとジャンのタルディ親子

  ページのTOPに戻る

ラルロ

  収穫開始日: 9/27(土)

  撮影場所: ロマネ・サン・ヴィヴァン

 畑の脇には「ドメーヌ・ド・ラルロ」と書かれた収穫ケース。そして畑の中では当主オリヴィエ・ルリッシュ氏と後ろ姿がソックリの人がポーター(収穫人が摘んだブドウをトラックまで運搬する人)をしているが、まさか当主がポーターをするわけがない、、、と思いきや、なんとオリヴィエその人だった。「樹齢の低いブドウはロマネ・サン・ヴィヴァンには入れないので、どのブドウを摘んで良いかを指示している。やっぱり特別な畑だしね」。オリヴィエは11月に来日予定。

 

畑の脇に置かれた収穫ケース

 

色濃く小振りなブドウたち

 

オリヴィエ・ルリッシュ氏

  ページのTOPに戻る

デュジャック

  収穫開始日: 9/27(土)

  撮影場所: ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ マルコンソール

 現在は息子たち、ジェレミーとアレックが前面で指揮を執っているデュジャックだが、畑にこの人、ジャック・セイス氏が立つとやはり風景が絵になる。セイス氏によると、「収量はかなり低めだが、皮の厚い良質なブドウが収穫できた」。

 

ブドウを運搬ケースに入れるポーター

 

ジャック・セイス氏

 

  ページのTOPに戻る