〜 Les vendanges 2008 〜

2008年 ブルゴーニュの収穫状況 その2

ジュヴレイ・シャンベルタンの収穫風景 (2008/10/1〜2)

 



 

ドゥニ・モルテ
ジャンヌ・エ・シルヴァン
セシール・トランブレイ
クロード・デュガ


ドゥニ・モルテ

  収穫開始日: 9/26(金)

  撮影場所: ドメーヌ

 アルノー・モルテ氏が指揮を執るのも早3年目。広々と清潔な醸造所には、今年初めて使う機械が2つ。一つが振動式選果台。ブドウに付いた余計な水分が振り落とされ、また選果台に乗ったブドウの房の角度が微妙に変わっていくため、醸造に適さないブドウ房・粒を見つけやすい。もう一つが「ジラフ」と呼ばれる、除梗後のブドウを発酵槽に運ぶベルトコンベアのようなもの。今回モルテが新たに購入したジラフは、スピードの調整が出来る最新型。「以前のジラフでは早すぎる時などブドウ粒が潰れたりすることもあったけど、これなら果皮を傷つけずに発酵槽に運べる」。すでに著名なドメーヌでも、細部にわたり、その精度はさらに磨かれていく。

 

選果作業。

 

一連の流れ。ブドウが到着→選果→除梗→ベルトコンベアへ

 

除梗されたブドウは発酵槽へ。真ん中にいる黒いフリース姿がアルノー・モルテ氏

 

1日の作業が終わったあとは、チームで乾杯。振る舞われるのはモルテのバック・ヴィンテージで、その日によって銘柄やミレジムを変えているそうだ(左がアルノー)

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ジャンヌ・エ・シルヴァン

  収穫開始日: 9/27(土)

  撮影場所: ドメーヌ

 「今年は病害が発生したミレジムだったけれど、それらを薬剤などで全て押さえ込むことはむしろ不自然。大切なのは結果的にブドウが健康であること」とはビオロジーを実践する栽培担当のシルヴァンで、良質のブドウに期待を寄せる。収量はやや低めだが、平均の範囲内。

 

シルヴァンが手をかけているこの圧搾機は1949年製。つまり今年で60回目の圧搾を行うことになる。「私のドメーヌは小規模だし、ゆっくりと手加減しながら圧搾できるこのタイプは大のお気に入り」

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セシール・トランブレイ

  収穫開始日: 9/27(土)

  撮影場所: ドメーヌ

 今年の8月より、新しい醸造所に移動(以前この醸造所を使用していたのはルー・デュモン)。ブドウが押し潰されないごく浅い収穫ケース、木製の発酵槽や、ジャンヌ・エ・シルヴァンでも見かけた、しかし真新しい垂直式圧搾機が並ぶ。ちなみにこのタイプの伝統的垂直型圧搾機、時を経て最近は見直されており、ボルドーなどでも新たに製造されたものの使用が増えている。セシールのこだわりと意気込みが感じられる醸造所で、どのようなワインが生まれるかが楽しみだ!

 

新しい醸造所の前で、セシール・トランブレイ(右)と、シャルロパン氏。

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クロード・デュガ

  収穫開始日: 9/27(土)

  撮影場所: AOCブルゴーニュ・ルージュ、ドメーヌ

 「2008年は最終的に2007年と同じくらいに難しいミレジムとなった。でも難しいほうが挑戦のしがいがある」とはクロードの息子・ベルトラン。収量は例年より20〜30%減の見込みだが、その理由としては、開花時期の天候が不安定だったことと、ヴァンダンジュ・ヴェルトを各畑の状況に応じて数回行い、ブドウ樹に余計な負荷をかけないこと、残すべきブドウにブドウ樹の持つ全てのエネルギーを集中させることを徹底したことが挙げられる。最終的には「2005年のような劇的なミレジムではないけれど、それぞれのアペラシオンに相応しい健康なブドウが収穫できたと思う」。

 


 

2年ぶりに、収穫中の畑に終日入らせていただいた。折しもこの日は最終日。疲れを通り越し、終わりが見えてきた収穫チームが一番元気な一日。曇り空の下、畑の畝の間から聞こえてくるのは他愛のないおしゃべりや、歌声。収穫はきつい作業だけれど、やっぱりこの雰囲気は大好きだ。

 

弊HPお馴染み、デュガでの昼食風景。手前はデュガ家の席で、今年結婚60周年を迎える先代モーリスとポーリンヌの元気な姿も。料理を用意するのは、クロードの奥様マリー・テレーズと、クロードの姉妹たち。最近は収穫人へ料理を出すにも保健所のチェックが厳しくなり、ケータリングが増えていると聞く。しかしこの昼食風景もワイン造りの一場面であるはず。様々な場面で規制が厳しくなるフランス。それは間違いではないのだが、何もかもを一様に規制していくと、そこにはフランスならではのユーモラスや文化、個性や魅力も失せてしまうのでは?と少し心配になる

 

クーパー(摘み取り人)の心強い味方、ポーター(ブドウの運搬人)たち

ポーターの1人、ベテランのシルヴァン。とにかく迅速

 

この日は最終日。ドメーヌに戻るバンを飾る花が、収穫現場に次々と届く

 

バンを飾る、クロードの姉妹たち

 

AOCブルゴーニュ・ルージュのブドウ。畑の畝には、事前に切られたブドウがゴロゴロと転がっていた。つまりこのブドウは残された良いブドウ

 

クロード・デュガ。この人がブドウを切ると、嬉しそうで、熟練で、、、。そして帽子は少なくとも6年来同じものだけれど、畑仕様の着こなしも何となくカッコいい

 

ベルトラン(右)と、ポーターたちの朝ご飯風景

 

カスクルート・タイム。早朝から体を動かすとお腹が空く。朝一番の焼きたてのバゲットに、好きなものを挟んでめいめいに作るサンドイッチは、やっぱり飛んでもなく美味しい!

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