オスピス・ド・ボーヌ 2008 その1

148eme Vente aux Enchères des Vins des Hospices de BEAUNE

〜 一樽あたりの平均落札価格は、前年比26,42%ダウン 〜

  (Beaune 2008.11.16)

 

 



 148回オスピス・ド・ボーヌ競売会が11/16(日)に開催された。

 2008年は収穫までの天候の難しさ以前に、アメリカと英国のブルゴーニュワイン輸入量が量・金額ベースで前年より下降していることや、今夏以降の世界的金融危機など経済的な要因が、オスピス・ド・ボーヌの価格にもどう影響するかが注目された。結果は以下。

 

  蒸留酒含む落札総合計: 2,832,272ユーロ

  ワインのみの落札総合計: 2,826,800ユーロ

  ワインのみ落札総樽数: 544樽

  ワインの一樽あたりの平均落札価格: 5,196ユーロ(前年比 26,42%減)

赤: 4,157ユーロ前年比 31,53%減

白: 10,171ユーロ前年比 2,45%減

 

赤は昨年、一樽あたりの平均落札価格が前年比で約38%アップした経緯があるが、今年は前年比で50%近くダウンしたキュヴェもいくつかあり、落札開始から価格は低迷した。

 ワインの価格を左右する背景は多様化し、またオスピス・ド・ボーヌの精神はあくまでもチャリティ・オークションであるので、新しいミレジムの価格を占う最初の指標としては、オスピス・ド・ボーヌは以前より重要ではないかもしれない。だが近年は生産者がネゴシアンに売る樽ワインの価格が特に著名アペラシオンでは上昇が著しいことや、今年のオスピス・ワインの品質自体は事前の試飲で評価されていたことなど、価格が上昇する要素もあった。しかしそれらの上昇要素よりも、今回は市場の景気を強く反映する形になったようだ。

 

おなじみ、会場風景。


 

クリスティーズの運営も4年目。電話やネットでの落札も定着した。


 

今年の慈善キュヴェが落札された瞬間。5万ユーロ。ガン対策基金や、アジアの児童基金に寄付される。しかしこの落札価格も昨年の6万5000ユーロや、2006年の20万ユーロには遙かに届かなかった。

 

(補足)

代表的な著名キュヴェの価格は以下。緑字は2007年の価格赤字は2006年の価格

 

  マジ・シャンベルタン(マドレーヌ・コリニャン)

最高落札価格: 28000ユーロ (32000ユーロ) (28000ユーロ)

最低落札価格: 18000ユーロ (26000ユーロ) (22000ユーロ)

  クロ・ド・ラ・ロッシュ(シロ・ショードロン):

最高落札価格: 30000ユーロ (36000ユーロ) (24000ユーロ)

最低落札価格: 30000ユーロ (35000ユーロ) (22000ユーロ)

  ボーヌ(ニコラ・ロラン)

最高落札価格: 4000ユーロ  (5500ユーロ)  (4000ユーロ)

最低落札価格: 3800ユーロ  (4500ユーロ)  (3200ユーロ)

  コルトン・シャルルマーニュ(フランソワ・ド・サラン)

最高落札価格: 25000ユーロ (28000ユーロ) (26000ユーロ)

最低落札価格: 13000ユーロ (20000ユーロ) (18000ユーロ)

  バタール・モンラッシェ(ダム・ド・フランドル)

最高落札価格: 42000ユーロ (52000ユーロ) (65000ユーロ)

最低落札価格: 42000ユーロ (48000ユーロ) (61000ユーロ)

 

「オスピス・ド・ボーヌ 2008 その2」では、ブルゴーニュの輸出状況や、オスピス・ド・ボーヌの品質向上の背景に関して、レポートする予定です!