SMITH HAUT LAFITE  Les Sources de CAUDALIE

〜女性必見!ヴィノテラピー体験記〜

(Pessac−Leognan 2002.7.31)

 

 タラソテラピーから始まり、「土地の利を生かしたエステティック」はいつも女性の興味を惹きつけて、やまない。

 ヴィノテラピー。ワインの製造過程で生じるブドウの絞り粕を利用するエステティックだ。そしてそのヴィノテラピーを1999年にいち早くボルドーに取り入れたのが、ここシャトー・スミス・オー・ラフィット。サロンの名は「レ・ソース・ド・コーダリー」。今やフランスの芸能人がお忍びで通い、コーダリー製品はフランスで最も年をとらない女優、イザベル・アジャーニやカトリーヌ・ドヌーヴご用達らしい。

 またその気になる「お手入れ」だが以前コーダリーが紹介されていた雑誌では、「バリック風呂」、「ワイン粕パック」、「赤ワインエッセンス入りジャグジー」等々。

 やはり女性としては気になる!ましてや普段は飲んでいるだけのワインでエステ三昧?関心度は200%である。

 

レ・ソース・ド・コーダリー

 

ウッディな造りのヴィノテラピー・サロン。クリックすると写真が大きくなります。

サロンの名前である「レ・ソース・ド・コーダリー」の「コーダリー」とは、ワインテイスティング用語で、ワインを口に含んだ時の余韻の長さを表す感覚測定単位のこと。「1コーダリー」は約1秒。コーダリー数が多いほど、素晴らしいワインということになる。「レ・ソース・ド・コーダリー」つまり、「コーダリーの泉」。いかにも美が湧き出てくるような名前(?)でそそられる。

 カティア夫妻がシャトー・スミス・オー・ラフィットを獲得して以来このシャトーにおける改革は目覚ましいが、マダムの「ブドウには美しくなるエッセンスがある(*)」「ワイン・リゾートがナパ・ヴァレーにあって、なぜボルドーには無いのか」という考えの基、シャトーの敷地内に造られたのが、このサロンなのだ。

 サロン、併設された宿泊施設(レストランもあり)は全てウッディな造りで主要な畑のすぐ横にある。もちろんサロンや宿泊施設の周りも畑に取り囲まれているのだが、土やブドウの木、なっているブドウの質を見るとこちらは「見せ畑」。さすがワイン造りが基本であるスミス・オー・ラフィット、リゾート地建設の為に良い区画を取り壊すことはしなかったようだ。

 訪れた日は残念ながら雨だったが、湿った空気には緑と土、そして木造の建物の香りが溶け込んでいてこれだけで気持ちよい。

 そしてサロンの中は天井が高く人の密度を全く感じない。非常にシックでラグジュアリーな雰囲気が漂っている。サロンの中からも畑が見える。開放的でありながら少し隠れ家のような感覚も魅力的だ。→写真挿入@

(*)ポリフェノールには紫外線、公害、タバコの煙など肌の老化原因である活性酵素生成を抑制する働きがある。

 

エステティック体験

 サロンの玄関をくぐるとまず受付がある。受付の人達も親切で、申し込んだコースのスケジュール表を渡してくれ、機能的で分かりやすい。受付の横には来客の記帳があり、中にはシャルロット・ゲンスブール夫婦始め、フランス在住の先輩曰く「かなり多くの有名人の名前が」。

 私達が申し込んだのは「Journee Decouverte」。ボディ中心の1日体験コースだ。このコースに含まれているお手入れは以下。

@Douche a Jet(ジェット・シャワー)

AEnveloppement Merlot(メルロー湿布)

BBain a la Vigne Rouge(赤ワインエッセンス入りジャグジー)

CMassage Enivrant sous Aff(マッサージ)

そしてHammamと呼ばれる蒸し風呂、屋内外のプールに入り放題で130ユーロ。サロン内には1日中自由に出入りできる。単独でお手入れを受けると31ユーロからなので、このコースはかなりお得。また、オフシーズンである冬にはスペシャル・プライスもあるようだ。

 さてそのお手入れの内容だ。

 まず@だが、こちらは素っ裸(少々恥ずかしい)で壁にある鉄棒につかまる。そして3メートルほど離れたお姉さんが手にしているのはかなり水圧の強いホース。このホースから出る水を足裏から始まり(気持ちいい!)、ふくらはぎ、腿、背中、腕、腹部などを15分間浴びせ続けられる。腹部などはかなり効きそう(もっとも痩せている先輩にとっては少し痛かったよう)。水からはうっすらと硫黄の香りが。肌もつるつるになりそうだ。これで全身をほぐした後、Aへ。

 Aは、メルローの絞り粕とベントナイト(粘土)を練り合わせたものを全身に塗った後、全身をシートに包まれ、30分ほんのりと蒸される。まどろんできた頃にお姉さんが現れ、「サヴァビアーン?」サヴァです。ええっ、もう終わり?

 そしてB。ゆったりとしたジャグジーの中に横たわると、素晴らしく泡立ちの良いジェルと、赤ワインエッセンスが入れられる。このお湯も硫黄系。そして「痒いところに手が届く」完璧なジャグジーでくつろぐこと30分。広々とした完全個室で、完璧に極楽気分!

 最後にCのマッサージ。オイルでひたすら優しくもまれ続ける。さすがMassage Enivrant(うっとりとするマッサージ)というだけあり、少し怪しい(?)気分になりそうなくらい柔らかなタッチ。うつぶせになると目の前の窓からは畑が見える。こちらもあっと言う間に30分が経過。

 とにかくどれも「やめないで」というくらい(?)気持ちよく、くつろげる。そしてその効果だが、むくみは完全に取れ、体は確実に軽くなる。肌は心なしかピカピカしているようで、普段は不規則な生活でくすみのある顔色もほんのりとピンク色。妙齢の私達が(?)、この日一日すっぴんで(眉とルージュだけはひいたが)過ごすことが出来た、と言えば少しは効果が分かっていただけるだろうか?

 

1日の過ごし方

 この日は午前中にエステを楽しんだ後、敷地内のレストランで軽め(料理がヘルシー指向で重くない)の昼食をいただき、午後はシャトー見学。そしてまたもやサロンに戻り、プールと蒸し風呂三昧。10時前に到着し、シャトーを発ったのは7時過ぎだった。先輩に立てていただいたスケジュールだったが、完璧にシャトーで1日遊べる。そしてアルコールが入る前にエステを受けたこと、最後のプール&蒸し風呂でアルコールが抜けて(?)、ボルドー市内へ元気に遊びに行けたこともポイントが高い。

 受付の記帳に力強く「I’ll be back!」と書いた人がたが、全く同感。また来るわ!(オフシーズン狙って)

 ところで、全く同じエステをパリ市内(17区)でも受けることが出来るが、やはり同じ受けるならシャトーまで足を運びたい。サロンを一歩出た時に畑の空気を吸うことが出来るのは、パリと言わず都会で受けるエステではあり得ない。

 フランスに来た時に郊外で贅沢に遊ぶ予定のある女性には、自信を持って勧めることができる1日だ(ちなみに男性もOK)。