4/22〜23

〜ブルゴーニュの春、一喜一憂〜

 

 

今回のORGANISATEUR

 畑仕事の訪問は私個人で、そしてデュガ・ピとシルヴィ・エスモナン訪問は当サイトとリンクを張って頂いている「ブルゴーニュ魂」の西方さんのお陰です。感謝を込めて。ありがとうございました。

http://www2.odn.ne.jp/~cdj80950/

 

今回のチーム・デギュスタシオン

 西方さんと、フロマージュとパンに精通した女性、私の三人。

 

今回のスケジュール

4/22

パリ発

14:00 Domaine Claude DUGAT訪問

ジュヴレイ・シャンベルタン泊

4/23

8:00 Domaine Bernard DUGAT−RY訪問

11:00 Sylvie ESMONIN訪問

14:00 Domaine Prieure ROCH訪問

帰パリ

 

裏話ではどうも天気のことばかり書いているような気がするが、今回も、である。

毎月ブルゴーニュを訪れるようになって、早4ヶ月。春の訪れは順調に思われた。しかし今月6日急遽ブルゴーニュ行きが決定した時に、インターネットでディジョンの天気予報を見ると寒い!6日から気温は急低下傾向にあり、8日で最低気温0度、9日にはなんとマイナス3度になるという!パリはディジョンほどではないが、やはり9日の最低気温は0度とのこと。これだからフランスの天気はわからない。

マイナス3度になる前にブルゴーニュからは退散したのだが、今回デュガさんを訪問して気温26度の中、長女レティシャさんから聞いたのが「10日くらい前だったかしら。雪が積もったのよ」。ええええーっ!である。

6日にジャン・タルディを訪れた時に次男ギヨームが「今年は暖かすぎて芽吹きのペースが早過ぎるよ。寒の戻りが欲しいところだね」なんて言っていたけれど、これじゃ、戻り過ぎ。低地では霜害も見られたという。

しかし同時期のシャンパーニュの霜害は壊滅的と聞いているが、幸い最終的にニュイでは小さな被害で済んだようだ(被害が見られたのは主に低地、特に芽吹きの早いシャルドネ)。畑では元気な新芽や、ブドウのミニチュアを見ることができた。そしてこの「ブドウのミニチュア」が感動ものにカワイイのである!

 現時点でニュイの生産者が挙げる問題点は、雪が降ったことを除くと余りにもの晴天続きのため乾燥しすぎている、ということだ。

 全くワイン造りとは農業なのだ。空を見て、気温を感じて、一喜一憂なのである。

 

ドゥニ・モルテのオー・ヴェレの区画で見つけたブドウのミニチュア!大きさは小指の爪にも満たないほど。カワイイ! 26度のこの日は小夏日和(こんな言葉ないけれど)。ジュヴレイ・シャンベルタンの猫も日差しを避けて一休み。「糸目」がキュート。


 

芽のあるべき位置がクレーターのようにへこんでいる。これは春の霜害(4/10)でやられた新芽。 クロ・サン・ジャックの風景。右側の石垣の向こうはカズティエだ。


 

根付くか?苗木

 

 デュガの畑に行くと毎回土をいじりながら子供返りしている私であるが、今回の土いじりは苗床で過ごした「ピノノワールの赤ちゃん」を土に植え替える作業(参照:畑の仕事。3月のロックと4月のデュガ)。

 不思議な気持ちだ。だってもし上手く根付けば5年ほど後にワインに(もっと先かな?)、そしてもっと上手く行けば60年から70年、時に100年ほどこの苗木がジュヴレイ・シャンベルタンに生き続けるのだから。

「60年後には私は?歳よ」

というレティシャさんの言葉に大きく頷く私。そう、私も?歳(レティシャさんよりもっと行ってしまっている!というか生きているのか?)。ロマンティックね、と言うと「うふふ」と笑うレティシャさん。しかしそのレティシャさんから非情な言葉が!

「でも今年は少し乾燥しすぎているからね、植えてもダメかも」。

えっ?ダメって???

「死んじゃうのよ」。

がーーーん!なにか手だては?

「だって、ここは法律で水まき禁止だもの。どうしようもないわ」。

 少し、哀しい。赤ちゃん苗木の横には保護用の杭を打つのだが、そこに晶代(私の名前である)の「A」を書いておこうかしらなんて思うくらいにノリノリだったのに。

 どうかどうか、1本くらいは根付いてね(10本くらい、植えたのだ)。そしてデュガ様のボトルの中に収まってください!