4/28〜5/2 〜フランス料理観を覆す、激マズにアヴィニョンにて出会う!〜 |
今回のORGANISATEUR |
レストラン、ホテルの予約はグラン・クリュ・クラブ(以下GCC)の須藤氏、生産者とのアポは私。
今回のチーム・デギュスタシオン |
GCCの須藤氏、日本からヴァカンスで来たダンナ、そして私の3人で。
今回のスケジュール |
4/28
パリ発
14:00 Domaine Mathilde et Yves GANGLOFF訪問
@
Les Saveurs de Marche(電話:04 74 31 65 65、ヴィエンヌ近く)にて夕食
4/29
11:00 Domaine Jean−Michel STEPHAN訪問
A
Bistrot a Vin de Serine(電話:04 74 56 15 19、アンピュイ)にて昼食
15:00 Domaine Georges Vernay訪問
17:00 Cave de CHANTE−PERDRIX訪問
4/30
10:00 Domaine CLUSEL ROCH訪問
B
Alain Charles(電話:04 74 87 23 02、シャヴァネイ)にて夕食
17:30 Domaine du MONTEILLET訪問
???にて夕食(以下「フランス料理観を覆す、激マズにアヴィニョンにて出会う!」必読!、アヴィニョン)
5/1
プロヴァンス観光
C Source(電話:04 90 92 44 71、サン・レミー・ド・プロヴァンス)にて昼食
D Sous les Olivieres(電話:04 90 92 44 71、アラモン)にて夕食
5/2
帰パリ
GW恒例(?)、ダンナの来仏。ここで問題が一つある。それは本人は大きく否定するが、「彼は超雨男である」という事実だ。
彼との共通の趣味であるダイビングに一緒に出かけても、ダイビング後の帰りのボートは「ここでシャンプーを済ませてしまおうか」と思うほどの、ホテルのシャワーよりもよほどパワーのある雨。で、決まって現地のスタッフに言われるのだ。「先週までは晴れていたんですけれどねぇ」「来週から太陽が戻ってきますよ」。それじゃ、早い(遅い)って。最近は一緒に潜っている人達にすら申し訳ない、と思うくらいとにかくよく雨に当たる。
案の定晴れ渡っていたパリの空は、彼の到着数日前からまるで彼を待つかのように徐々に曇りだした。超雨男のパワーは恐ろしい。まぁ、先月デュガで植えた苗木がこの雨で根付いてくれれば私は嬉しいのだが、今回ブルゴーニュ教の彼を迎えて敢えてローヌ・ツアーを組んだのは訳がある。それは彼に「ブルゴーニュ以南の太陽を感じてほしい」という私の思いだ。だから晴れなきゃ、意味ないじゃん。
しかし理由は変われど毎度フランスの空を気にしている私に、彼が一言。
「考えてみればフランスに行って文化的なこと、したこと無いなぁ。オペラとかさ」
がーん、すみません、だ。確かに今回のスケジュールもこれはワインフリークのための「ワイン合宿」である。でもワインという偉大な文化の根っこに触れていると思って、許してください(って次回もきっとワイン合宿だよーん)。
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コンドリューの丘にあるレストランからの眺め。 |
シャトーヌフ・デュ・パープの北の入り口、オランジュの町にて。猫の寝床用箱が「シャトーヌフ・デュ・パープ」「ジゴンダス」というところが、この地なら! |
Cherry Bomb!発足?! |
何かと「固い、難解」と言われる、このHP。で、もっと実用的なコーナーが無いか、と今回の旅行中発足したのが「Cherry Bomb!」企画である。
この「Cherry Bomb!」企画の主旨は、「ワイン好きの味にウルサイ日本人が、ワイン産地のレストランを採点する」というもの。ジャッジは在仏23年、本業がガイドである(!)須藤さん。で、採点基準は至ってシンプル。以下の4点だ。
@
ワインリスト
A
料理
B
コスト・パフォーマンス
C
サーヴィス
そして以上の総合点が「Cherry度」。1〜4チェリー、最高点が「Cherry Bomb!」だ。
ところでこの、「Cherry Bomb!」(サクランボ爆弾?ダサイなぁ)だが、名前の由来は1960年以前に生まれたロック好きの人しか分からないのでは?そしてこの世代に属する須藤氏とダンナは何かとこの「Cherry Bomb!」の曲(曲であるらしい)を口ずさみ盛り上がるのだが、いかんせん過去のことなのか、二人ともこの曲を歌っていたグループ名が思い出せない(どうもKISSの後に、ぽっとヒットしたボンテージ姿の女性のグループらしいのだが、、、。ご存知の方、ご一報ください)。
というわけで、レストランでも盛り上がれば「Cherry Bomb!」。今回のレストランを早速「Cherry Bomb!」判定してみました(@〜Dの番号はスケジュールにあるレストラン名参照)。
@
les Saveurs de Marche(電話:04 74 31 65 65、ヴィエンヌ近く)
ヴィエンヌ近くに行ったら、是非!ワインリストには必ず「試したい」と思うものが古いミレジムも含めて良心的な価格でスタンバイ。料理も◎。4チェリーでもいいかも。
A
Bistrot a Vin de Serine(電話:04 74 56 15 19、アンピュイ)
地元の生産者もお薦めのレストラン。昼食のコスパは素晴らしい。間違いなく普通に美味しいものにありつける。ワインの品揃えの良さは、レストランの1階がワインショップであるでもお墨付き。
B
Alain Charles(電話:04 74 87 23 02、シャヴァネイ)
この地区きっての高級レストラン(お昼のムニュで18ユーロ〜)。味、内装ともに「星を狙っているのでは?」と思わせ、十分に満足できる。しかし残念ながらサーヴィスの人間の質に大きくムラあり(悪い人にあたるとかなり気分を害する)。これがなければ4チェリー。
C
Source(電話:04 90 92 44 71、サン・レミー・ド・プロヴァンス)
サン・レミー・ド・プロヴァンスでは断然お薦め。ムニュの前菜は作り置きっぽいが、プロヴァンサルな味を十分に楽しめる。そして必食はこの地の名産、「黒牛(トロ)のステーキ」。噛めば噛むほど味のある肉である。中庭のある雰囲気もプロヴァンサルで◎。
D
Sous les Olivieres(電話:04 90 92 44 71、アラモン)
ワインリストは無名&シンプルながら超格安。料理は塩加減に多少ムラがあるが、全体的に郷土食たっぷりで○。こじんまりとした隠れ家風の店の内装は小物に至るまで細部が可愛いい。そして何よりも驚きはサーヴィスのお兄ちゃんのフランス人とは思えない(?)機敏さ(満面の笑顔付き)である。非常に気持ちの良い店。
「Cherry Bomb!」次回の報告はいつ?乞うご期待!?
フランス料理観を覆す、激マズにアヴィニョンにて出会う! |
「観光地のメシはマズイ」
よく言われることである。正確に言えば「観光地の目抜き通りに面した店のメシはマズイ」。同行者の須藤さんもパスタ聖地であるイタリアの観光地、ヴェニスの目抜き通りにて「茹で置きのパスタに出会った」と言うくらいだから、「観光客やったら、こんなもんでいいやろ(なぜか大阪弁)」的手抜き商売は国際的に(?)侮れないのである。
しかしフランスにおいて言えば、シャンゼリゼに面したレストランやエッフェル塔の見える角地のカフェで適当に昼食を取っても(もっとも高いので、あくまでも「やむを得ず」だが)まぁそれなりに美味しいし、駅や空港で食べるものも普通に食べられる(空港ごはんが美味しい、というのはその国の最低基準が高いと言うことである)。そしてそれは「食の国、フランス」の底力でもあると信じていたのだ。しかしその思いこみは、ここアヴィニョンで木っ端微塵に崩された。
普段須藤氏が組むワインツアーではレストランも下調べもしくは聞き込みをして選ぶのだが、この日アヴィニョンに到着したのは夜の9時半。観光も兼ねて「とりあえず、食べられればいいか」でアヴィニョンの目抜き通である「時計台広場」へ。到着すると路面に競って出ている屋外レストランが屋台っぽくて、雰囲気はイイ感じ。しかし夜風は冷たく、とりあえず人が入っている屋内の小綺麗な店を選んだ。ここで私達が選んだ皿は以下である。
@魚介類のサラダ
A魚のスープ
Bハムの盛り合わせ
Cこの店のスペシャル 暖かい魚介類料理
Cについて「どういった料理なのか」を尋ねた時にサービスの人が口を濁した時点で止めればよかった。まぁ、これは後で。
@は可もなく不可もなく。昼を食べ過ぎた胃にはさっぱりとして、魚介類も明らかに冷凍モノだが上手く解凍されている。
Aは恐ろしく、薄い、ぬるい。暖め直して貰い、かつ付け合わせのグリエールチーズを全部投入して、やっと飲める。しかしこの魚のスープ「Soupe de Poissonn」のやたら塩辛いのに出会うと飲み進むことが出来ないので、それに比べたらマシ、という意味でこれもとりあえず許す。
B。ここから雲行きが本格的に怪しくなってきたのである。スーパーのバーゲンで買っても、駅でありきたりのサンドイッチを買っても、ある程度のレベルを保っているのがフランスのハムではないのか?しかし、これは???微妙に全て「美味しくない」。どこにこんなに美味しくないハムが出回っているのか?謎だ。そして「ハムだけじゃ、単調だから」という気配りなのか、同じ皿に添えられた「鶏の煮たやつ(としか形容できない)」。見たからに不味そう。私は手を付けなかったが、手を付けたダンナは一言、「食べていて、情けなくなる、、、」。
そして真骨頂(?)のCである。出てきたのは、、、ジャーン!!!どう見ても「魚の水煮の盛り合わせ」だーーーーっ!味が無い、なんてものではない。いや、むしろ味が無い方が良かった。冷凍モノの、よりにもよって臭いのあるあの鱈をそのまま煮るなよ、お願いだから。せめてブイヨンで煮てください、、、。「食事を残してはいけません」と厳重に躾られている世代なので果敢にトライを試みるが、人間の尊厳に近い本能(?)が「食べちゃ、ダメ!」と頭をもたげる。ここまでマズイと食卓は美しき「譲り合い」の場へ、そして罰ゲームのノリ、果ては「ここまで来てなんでこんなにマズイものを食べないといけないんでしょうねぇ」という自虐的な笑い(涙ぐみ)に至る始末。
須藤氏曰く「フランスに住んで23年になるけれど、こんなに凄いものは、、、。フランス料理が素晴らしいと思っていた自分が恥ずかしい」。
ダンナ曰く「もう当分、鱈はいいです」。
そのマズそうな視覚を上回る二人の反応を見た私は、余計に手を出すことが出来なかった。
ちなみにこの一皿、24ユーロ。日本円のレートが悪い今では3200円ってところ?恐るべし、観光メシ。
残してしまったことは魚達には申し訳ないが、死してここまでの笑い(?)をくれたことに、感謝。成仏してください。そしてアヴィニョンの時計台広場に小綺麗な店は2軒あるが、避けることをお薦めします???(お店の名誉のために、一言。カフェは美味しかったです)。
そして可哀相なダンナはアヴィニョンに来て法王庁も結局見ず、この地の思い出と言えば、このレストランの味(?)と、アヴィニョンTGVの駅だけなのである。