裏話9月

2006年、収穫が始まる

 

 

 パリではモンマルトルのブドウ畑で、そして様々な産地から「収穫開始」のニュースが届く。毎年収穫に参加しているドメーヌ・クロード・デュガも9/23に開始。過去3年間のデュガの収穫開始日は8/25(2003年)、9/25(2004年)、9/15(2005年)だったので、今年はごく平均的な早さである。

 

 ところで2006年のブルゴーニュ地方の天候の推移は、かなりイレギュラーだった。まずは春の降水量の多さ。だがこれは乾燥していた2005年を考えると、土壌を潤す結果となったようだ。その後は非常に涼しかった5月。そして6月から快晴が多くなったが、もっとも2006年の天候で特徴的だったのは7月と8月だろう。

 「フランス食品振興会発行メールマガジンhttp://www.franceshoku.com/」によると、ボージョレーでは、

 

2006年は早熟な年で、特異な天候が特徴であった。7月がとても暑く(1959年以来、最も暑かった)8月はとても涼しかった(1968年以来最も涼しかった)。しかし1月から8月末までの気温の総和は2005年と同じレベルで、日照量も多かった。ぶどう畑の衛生状態も良好で、期待のもてる年である。

 7月は確かに非常に暑かった。私が産地を訪れた時も、気温が38℃を超える日が続いていたが、そもそも気温とは暗箱で測られた数値である。畑など日光を遮るものが無い場所では、40℃を軽く超えていたのではないだろうか?(実際、訪問した生産者達からは軒下などにぶら下げている温度計が「45℃」を記録した、という声も聞いた)。この時点では酷暑で有名な「2003年」や「1976年」の再来か?と思われ、かなり早い時期の収穫が予想されていた。しかし8月に入り一転。曇りがちで最高気温が20℃台前半の日が続き、一方最低気温は10℃台前半の日もあったという。

 ある生産者は「8月がワインを造る」と言ったが、冷夏はブドウの成熟のスピードを一気に緩めたはずだ。9月に入り残暑が戻ったが、9月半ばには雨。この雨の後、生産者の間では収穫開始日を更に先送りする傾向があったようだ。そしてここ数日は快晴・高温が続いている。

 さて、気になるブドウの質である。私が現地入りするのは24日。スケジュールの関係で、今回はデュガでの収穫は一日参加のみだが、まずはしっかりブドウを見て食べ、生産者達の生の声を聞いてこようと思う。ただブルゴーニュ地方の天気予報を見てみると、24日から26日の間はかなり不安定。晴れ、曇り、雷雨が激しく入れ替わるようである。ボルドー、特にメドックの今年の収穫はかなり雨に泣かされていると聞くが、収穫期間中の天候は品質を大きく左右する。少しでも太陽が味方に付くことを祈りつつ、、、。