GRAND CRU CLUBニュース 2005/04/18 GRAND CRU CLUB(GCC)恒例、夏の日本ツアーが決定! |
飲みます!今回も古酒 |
なぜ、最近GCCは古酒づいているのか?それは古酒の世界が教えてくれるワインの生命力に単純に感動できることもあるが、もう少し突っ込めば、この生命力こそが「ワインの答え」の一つでは?と思えるからである。
フランスに20年以上滞在するGCC主催者・須藤氏、そして日本のワインファンにとっても、特にここ10年、「ワインを購入する環境は著しく変わった」と感じていると思う。ワイン造りにおけるテクノロジー化が進む過程で凝縮したワインが評価された時代もあれば、続いてビオや自然派の台頭。これらの情報は瞬く間に流れ(時に翻弄され)、同時に入手方法も多様になった。要するにワインを知る手段が便利になる一方で、「じゃあ、結局何がいいの?」と頭を抱えることも多くなったのだ(まぁ、最終的には美味しければ幸せなのだが)。
そこで、古酒である。例えば1950年代のワイン。この時期はまだ畑における除草剤などの農薬も普及していなければ、農耕機具の機械化も進んでいなかった。そう、生産者達は畑において「ビオや手作業しか手段が無かった」と言っても良く(総ビオ?)、それは醸造所内においても同様だ。発酵漕を含め完璧な空調が整えられない醸造所では、一次発酵中にワインが「酢」になることを避けるため、醸造所が完璧に冷え切る時期まで収穫を待たねばならなかったし(よってブドウは完熟、もちろん過熟な場合もあっただろう)、またSO2の使用理由を例に挙げれば、それは基本的に樽の消毒が目的であった。そこで過剰な酸化や劣化からワインを守るためには、澱の抗酸化性(澱の上で長期間寝かす)を利用すること等が、生産者達の知恵の一つだったのだ。テクノロジーに依存しないことは事故のリスクも多かっただろうが、事故を免れたワインとは、畑で鍛え抜かれた「体育会系のブドウ」から生まれ、熟練した人の手と観察眼で瓶詰めまで導かれているのである。
GCCではテクノロジーを批判しているのでは全くない。実際、「自然派」と呼ばれる生産者達も、情報や近代技術の恩恵に預かっているはずで、大切なのは「現代において、何を選び、何を切り捨てるか」の判断だろう。そんな折、古酒の予想以上に若々しい姿に出会うと、「じゃあ、『過去』の一体何が、ワインにとって良かったのだろう?」ということが、味覚を通して、少し垣間見えたりもするのである。
最後に。GCCでは「開けて、ガッカリ」を防ぐために、ほぼ全てのワインは、パリのGCCであらかじめ試飲、もしくは購入先の信頼できる最近の試飲コメントを参照にして選びました。またワインは、日本側の担当者やレストランの方々の協力で、涼しい季節に空輸、休ませています。
この機会に是非、古酒の世界をお楽しみください!
(お断り:古酒の中には、最近の資料で見かけることのない生産者のものも含まれます。よってこれらの生産者に関しての説明はありませんが、この点に関してはご容赦頂けると幸いです)。
日程 |
大阪:
6/16(木)
「オールド・ヴィンテージ 〜締めはシュヴァル・ブラン 1952で〜」 満席になりました
6/18(土)
6/19(日)
「ボルドーの底力を、堪能する」
東京:
6/23(木)もしくは24(金)
「オールド・ヴィンテージ 〜頑固オヤジ系タルボ 70年を経た姿とは?〜」
7/1(金)
お申し込み方法 |
@
メール:la_mer_du_vin@yahoo.co.jp
A
ファックス:33−1−44−93−05−90(フランス)
もしくは、各試飲会の担当者に、直接電話で申し込んでいただくことも出来ます。
先着順10名まで。また、人数が揃わなかった場合は延期します。