GCCニュース 2006年5月30日

 〜須藤秀章氏、ブログ開始

今、アンリ・ジャイエをオークションで買うと、、、?〜

 

 

 


 
タイトル通り。須藤秀章氏がついにブログを開始した。

 http://www.grandcruclub.typepad.jp/

 今までも日本で行われる「GCCワイン会」は紹介してきたが、このブログではパリ開催バージョンも随時ご案内。パリに来られる方も日程が会えば、ぜひご参加ください!

 

 そしてブログの最新情報は、「今アンリ・ジャイエをオークションで買うと、果たしていかほどのお値段か?」である。

 さる5月12、13日に、ディジョンで行われたオークション。競売にかけられたのはジュヴレイ・シャンベルタンのかつての名レストラン「レ・ミレジム」のストックだ。同レストランの財務処理のためのオークションであったが、「レ・ミレジム」はワインリストの豪華さでは群を抜いていた上に、特にブルゴーニュワインに関しては現地を全く動いていないというコンディションの良さ、しかも出所は非常に明らか。オークションとしては、既に信頼できる条件が揃っている。そして私が須藤氏から頂いた電話は、「ジャイエやDRCがゴロゴロしているけど、落としたい?」。

 むむむ、、、。「もう人生で、後何回縁があるのやら、、、」と諦めの境地であるアンリ・ジャイエ。ディジョンで行われるものなら、まだ価格は控えめなのでは?と思った私が甘すぎた。私としては「大きく出た」落札限度額は軽く飛び越えられ、それはジャイエだけでなく、殆どの錚々たるワインは法外な価格で落とされたという。

 しかもこのオークションにはとんでもない「オマケ」があった。それは落札者がワインを引き取る前に起こった「盗難」である。ともあれオークションの詳しい内容(価格から盗難含む)は、須藤氏のブログに書かれているので、ご覧頂きたい。

 

 ところで「ワインの盗難」。フランスでは結構あるようである。それはパリのワインショップの地下カーヴに続くトンネルを掘る、といった信じられない事件もあるが、最も一般的なのはパリのアパルトマンにある「個人のカーヴから盗む」。特にクリスマス前後、パリジャンもとっておきのワインを買い込む時期に特に多いという。あるパリ在住の知人は私にその苦労をこう語った。

「ワインショップで高価なワインを買った時から、誰が付けているか分からないからね。だからまずは、いかにも安ワインを買ったような風情で帰宅するんだ。そして決していそいそと地下カーヴにはワインを収納してはいけない」。

そんな大袈裟な、と思いつつ、しかし実際に被害に遭った人も知っている。彼はワインのコレクターで、やはりクリスマス前後に友人たちに売ったコレクションの一部を自分の車で配送していたのだが、襲撃された。彼曰く、

「一件目の配送が終わって車に戻ったら、数人の男がいて、まさにトランクを開けている最中だった。駆けつけると後頭部を殴られ、その後は目の前でペトリュスやディケムの入ったケースが次々をさらわれていった光景しか覚えていない。きっと、自宅を出る時から付けられていたんだと思う」

強盗にとってワインは「金」でも、多くのワイン愛好家にとっては金以上の「思い入れ」が購入したワインにはあると思うので、この話は痛い。

 しかし前述の「オークション後の盗難」。このオークションもインターネットでリストが告知されていたくらいだから、狙われる可能性も十分に予想できたと思うのだが?