今冬リリースされた「隠れDRC」ワイン

 

 

 

* Bourgogne Hautes−Cotes de Nuits CAVES AUGES(Mis en bouteille par DRC) 1998

ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ カーヴ・オジェ DRC元詰め  

フランス内販売価格:21ユーロ(Caves AUGE 8区、LAVINIA 1区)

初ミレジム:1998年(市場に出たのはこの年が初めて)

 

 このワインの畑は、ヴォーヌ・ロマネの西側にある「ラベイ・ド・サン・ヴィヴァン(サン・ヴィヴァン修道院)」跡周囲の飛び地に位置しており、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティがロマネ・サン・ヴィヴァンを購入時に付いてきたものである。醸造、瓶詰めもドメーヌ・ロ・ラ・ロマネ・コンティにて醸造責任者であるベルナール・ノブレ氏の下で行われ、パリのワインショップ「Cave AUGE」専用のワインとして市場に出る。

 この不思議な「隠れDRCワイン」が生まれたきっかけは、数年前「Association l‘Abbaye de Saint−Vivant(サン・ヴィヴァン修道院協会)」が始めた新しい活動内容にある。

西暦900年に建設されたこの修道院は現在廃墟と化しているが、この修道院こそがロマネ・コンティの歴史の最も古くに関与しているものなのだ。なぜなら1131年11月13日にブルゴーニュ公ユーグ2世が後にロマネ・コンティとなる畑と含む、フラジェイとヴォーヌ・ロマネ村の全ての森林と未耕作地をサン・ヴィヴァン修道長に譲渡、1241―1276年の間にサン・ヴィヴァン修道長によるロマネ・コンティを含むブドウ畑の取得、という経緯が現在では最も正しい説とされているからだ。またこの史実はこの修道院がDRCにとってだけではなく、ヴォーヌ・ロマネ村にとっても象徴的な歴史的建築物であることも物語っていると言えるだろう。

現在サン・ヴィヴァン修道院協会はまずはこの歴史的な修道院の酒造庫復興を目標に、近年色々な行事を開催している(最近では昨年12月8日シャトード・クロ・ヴージョで行われたクラシック・コンサートなど)。そしてその一環として、DRC所有のラベイ・ド・サン・ヴィヴァン跡周囲の畑も「オート・コート・ド・ニュイ」としてワインに姿を変えて、市場に出たというわけだ。売上金はサン・ヴィヴァン修道院の活動費として役立てられる。

ちなみに1998年はカーヴ・オジェでは既に完売し、次回1999年は3月入荷予定である(価格未定)。

 

現在の修道院跡(地上部:撮影日時2002年9月29日)  

ドメーヌ・プリュレ・ロックの広報担当ジャレ氏のハガキコレクションより。前世紀初頭の修道院の姿と、修道院のあるヴェルジィの丘の風景。


ドメーヌ・プリュレ・ロックの広報担当ジャレ氏のハガキコレクションより。前世紀初頭の修道院の姿と、修道院のあるヴェルジィの丘の風景。



 
資料提供:ドメーヌ・プリュレ・ロック(DRC共同経営者)