3/29〜4/2
〜春のテイスティング・マラソン その2 Bordeaux Primeurs 2003 ボルドー市内の渋滞を抜けて、Go to the 試飲!〜 |
今回のORGANISATEUR |
ボルドーの各組織団体や、各シャトー。
今回のチーム・デギュスタシオン |
カプリス・ド・ランスタンのラファエル氏(参照:パリのワインショップ巡り)、他に数人のお世話になっている方々と。
今回のスケジュール |
* 場所:各アペラシオンに設けられた試飲会場や、各シャトー
3/29(月) 右岸
Cercle Rive Droite de Grands Vins de Bordeaux
Saint−Emilion (Association de Grands Crus Classe主催)
Pomerol Degustation du Millesime 2003 (組合主催)
Primeurs 2003 (Pomerol、Saint−Emilion、Fronsacの数シャトーの主催)
3/30(火) 左岸
St−Julien,Pauillac&St−Estephe (Union des Grands Crus de Bordeaux主催)
Margaux (Union des Grands Crus de Bordeaux主催)
Crus Bourgeois Millesime 2003 (Alliance des Crus Bougeois du Medoc主催)
Au coeur de sens (Maison du Vin Listrac−Medoc主催)
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シャトー・マルゴーにて。敷地内の砂利を整える専用トラクター(?)があるところが、何となくスゴイ! |
3/31(水) 左岸
Pessac−Leognan (組合主催)
Sauternes et Barsac (Union des Grands Crus de Bordeaux主催)
4/1(木) 左岸
Chateau Palemer
Chateau Margaux
Chateau Mouton−Rothschild
Chateau Lafite−Rothschild
Chateau Latour
Chateau Pichon Longueville Comtesse de Lalande
Chateau Ducru−Beaucaillou
4/2(金) 右岸
Chateau Ausone
Chateau Figeac
La Grappe(ステファン・デュルノンクール氏主催) →「生産者巡り」にて紹介
Syndicat Viticole de Saint−Emilion (組合主催)
Syndicat Viticole de Fronsac (組合主催)
Syndicat Viticole de Lajande−de−Pomerol (組合主催)
4/3(土)
帰パリ
「歯がやられる!」。近頃真剣に杞憂している。
渡仏後、初めて「大」が付くような規模の試飲会に参加したのは2年前、2月のロワールの試飲会だった。500を超える生産者達が仕込みたてのワインを持って一同に揃うのだが、1日が終わり歯を磨こうとすると、「知覚過敏」のような鳥肌の立つ痛みが歯に走った。痛みの原因はワインの持つ「酸」である。特に北の産地や酸の豊富なミレジムの試飲は侮れない。歯が溶けている?ヤバイ。ヤバ過ぎる。
そしてもう一つの歯の大敵は、「タンニン」である。こちらは南の産地やボルドーでてきめんにやられる。タンニンは付きやすい人とそうでない人がいるようで、私は前者だ。数種類で見事に着色されてしまう。舌を保つために頻繁にウガイをするが、その度に吐き出されるのは紫に染まった水。コワイ。しかもウガイを繰り返し、パンを囓り水を飲み、立ちっぱなし。お腹の膨満感に足のむくみも襲いかかる。結構ツライ。そして今回は前週から続けて2週目。歯の痛みを抱えたままで、タンニンの洗礼を受けるのである。どう考えたって、歯に良いわけがない。しかし週の後半には歯の痛みは消えていった。新酒なのにこれは、やはり2003年は全般的に酸が少ないと言うことだろうか?歯の痛みで知る、酸の有無?体(歯)は正直でもある。
そんなわけで大口を開けては笑えない歯でパリに戻り、自宅で「美白セット」で歯の手入れに取り組むこと1時間。どうにか一般人の歯に戻った(と思いたい)。
次回長期で帰国するのは夏期。今度こそ日本で歯の美白に取り組みたいのだが、大阪近辺で「歯に優しい美白」を施してくれる場所をご存知の方、当HPまでご連絡ください?
ラファエル氏の予想的中?! |
「恐らく最高の成功を手に収めているシャトーの一つが、セオリーで行くと、北部で水際に位置するシャトー・モンローズだ」。
4/16日付けの「読売新聞 ワインサイト」 http://www.yomiuri.co.jp/wine/ によると、私とは桁違いである新聞の情報収集力の結果としてやはり、「シャトー・モンローズが傑出した出来」となっている。恐るべし(?)、フランス人プロの推測力!
現在氏は、「顧客のためのプリムール評価」を執筆中である。パリに行かれるボルドー・ファンの方、「カプリス・ド・ランスタン」で詳細な情報を得られることは、確実である。
ボルドー市内の渋滞、続く |
2年前ボルドー市内を尋ねた時、その路上は多くで掘り返されていた。市内に「トラム(路面電車)」を走らせるためである。そしてその当時、トラム建設はその年末に終わると聞いていたのだが、、、。
フランスらしいと言うか、2004年現在工事はまだ続行中である。よって市内、特に朝夕の渋滞は凄まじく、加えて多々の一方通行&路駐。歩いて数分の目的地に車を停めようとすれば、ひどい時には数十分間グルグルと車を走らせるハメになる。しかもパリジャンであるラファエルに言わせると
「ボルっ子の運転は、クソッタレだ!」。
と言うわけで、ボルドー市内に観光で来た方には、土地勘と運転技術によほどの自信が無い限り、当分はレンタ・カーをオススメできない。車に疎い私でも、パリ市内の方がよほど運転しやすいのではないかと思われた。
話は変わるが、近年パリ市内では街を美しく保つために数年に一度、建物の「壁掃除」が義務づけられている。その成果か、ずず黒いほどの壁は見かけられない。しかしボルドー。工事と排気ガスの噴煙にまみれているせいか、可哀相なほどに濃い灰色の建物を見かける。そして掘り返された路面に、秩序を無くした道路。信号の無い道路を横切る時は「ここはホー・チ・ミン!?」というくらいに怖かった。約10年前に初めてボルドーに来た時は新緑の季節で、キラキラとした印象が残っているのに、今はいずこへ。灰色の色調と緊張感で、息が詰まる。本来ボルドーはパリの建造物のオリジナルとなる歴史的な建物が多く、美しい街のはずなのに残念だ。
早くトラムが開通して、次なる市の予算を「壁掃除」に当てて頂きたいものである。
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ペサック・レオニアンの会場となった、シャトー・クーアン・リュルトン。ボルドー市内もシャトーも、情緒あるランプがよく目にする。 |
シャトー・オーゾンヌからの帰り道にて、サンテミリオンを眺める。ボルドー市内を抜け出してしまえば、そこは開放感溢れるワイン産地の景色である。 |
円、ガンバレ! |
試飲会場に向かう前、朝の待ち合わせのカフェで私の引率者であるラファエルがニコニコと、
「よかったね、円が盛り返しているよ」
と私に告げた。1ユーロ=128円(これを書いている今日、4/9も128円であった)。嬉しい、、、。思えば2年前の渡仏当時は110円台だったこともあり、「1ユーロ=100円」で計算しても大体の見当は付いたのであるが、140円台を突破した時には計算以前に自身の節約を大いに迫られた。ドルに至ってはここ1年で40%もユーロが強くなったのだという。
これはパリのカヴィストであるラファエルにとっても朗報であるらしく、やはり多くのパリのワイン・ショップは、観光客であるアメリカ人や日本人の購買力に多かれ少なかれ左右されてしまうのだ。そして強すぎるユーロは観光客の購買欲を下げてしまう。
日本の内需といった根本的な景気が回復しているとは思えないが、日本経済について論じるとボロが出そうなので(?)、ここはひとまず、円、ガンバレ!である。多分日本のワイン・ファン、渡欧を考えている方、そしてワイン関係者にとっても、円が盛り返してくれる方が嬉しいはず、と思う。
ボロ・ヴィトンと一緒に、TVデビュー? |
「あなた、テレビに映っていたわよ」
ボルドーに住む先輩が電話で教えてくれた。「フランス・トロワ(3)」という番組の地域ネタバージョンで、プリムールの会場が映されており、そこに私が歩いていた(?)らしい。見たかった。
「だってあんなに千切れそうなヴィトン、持っているのあなただけじゃない。すぐに分かったわよ」。
先輩の言葉は容赦ない、、、。
そう、私にとって初めての高価なバッグとなったヴィトンは「ヴェルニ」というシリーズのものである。そのつやつやとした光沢と言い、何よりも丈夫でA3サイズの書類がスッポリ収まるのが気に入っており、2000年以来愛用し続けている。しかし愛用も度が過ぎると、流石のヴィトンも根を上げるようだ。大阪での夏期の営業時代(自転車)に既に色は変色し(「ヴェルニ」は直射日光で容易に変色するようだ)、1年後には「それは新色のヴェルニですか?」と言われるほどに趣を変えてしまった。夏期の営業で私の肩の汗を全て吸い取ったのか、持ち手は営業のオジサンもビックリするほどに黒光り(?)し、つい最近はその持ち手すら千切れ欠けていることに気が付いたのである。しかし代わりとなるバッグが無い(買えない)。
それでも会場では「あなたは日本人ですか?」と尋ねられたことがあり、そうですが、なぜ?と聞き返すと
「だって、ヴィトンを持っているから」との返答だった。
フランス人にとって「ヴィトン=日本人」というのはかなり浸透したイメージであるようだ。よってテレビのカメラマンも「外国人も多々参加!」というコンセプトの画面を狙う時、私は「典型的日本人」として格好の題材(?)だったのかもしれない。
しかし、そんなフランス人に一言いっておきたい。少なくとも日本人は通常こんなに「見る影もない」ヴィトンは持っていない!日本の街並みはピカピカのヴィトンで一杯だぞ!と。
そんなわけで4月末に一時帰国後、少し仕事絡みのアポイントがあるのだが、この「メトロでも安心して持つことの出来るボロ・ヴィトン」を日本に「仕事の共」として持参すべきかどうか、ちょっと悩んでいる最中である。
最後に |
前週のブルゴーニュに引き続き、今回も車の運転を始め、全てのフォローをして頂いたパリのワイン・ショップ「カプリス・ド・ランスタン」のラファエル氏に、感謝の気持ちをここに送ります。
所謂「何大シャトー」と言われるような場所で行われる試飲には、何らかの人脈が無ければ私個人で潜り込むこと(?)は難しく、加えてプリムール初体験の私に、試飲のコツなどを文字通り「手取り足取り」アドバイスして頂いた。次回はせめて「猫の手」程度でも氏の力になりたいと思うのだが、、、。